ひたすら楽して不動産投資も無事2回目の記事を迎えることができました。
記念すべき2回目の今回はそもそも不動産投資とは何なのかを解説していきます。
「そんなの知ってるよ!」という方、ちょっと待ってください!
中には経験者でも意外と知らない、知っていないとちょっとマズい落とし穴も含まれてます。
他の不動産投資本やブログではほとんど扱っていない内容も書いてあるので初心者・経験者問わず是非最後まで読んでみてください!
家賃収入と売却益
競売や公売について知る前に、まずは不動産投資とはどういった投資なのかを確認しておきましょう。
不動産投資は文字通り、不動産を介して利益を得る投資です。
不動産投資において得られる利益には大きく分けて「家賃収入」と「売却益」の2種類があります。
家賃収入
不動産を人に貸すことで継続的に得られる利益です。
インカムゲイン(income gain)とも言います。
売却益
不動産を購入時の値段以上で売却することで得られる利益です。
キャピタルゲイン(capital gain)とも言います。
家賃収入は利回りが大事
家賃収入を狙う際に重要になるのが「利回り」です。
利回りとは投資した金額に対して1年でどれだけの利益が回収できるかの割合のことです。
利回りが大きいほど投資効率が良いと言えます。
少し難しく感じるかもしれませんが、不動産投資をする上でとても大事な概念なので頑張ってついてきてください。
大丈夫、計算自体は小学生でもできる簡単なものです!
不動産投資における利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。
この2つの違いを理解していないと物件を購入した後、想定していたより利益が少なかったなんてことになりかねないのでここでしっかり覚えておきましょう。
表面利回り
表面利回りは単純に年間の家賃収入を物件の購入価格で割り戻したものです。
計算式は以下の通り。
表面利回り=年間の家賃収入 ÷ 物件の購入価格 × 100 [%]
例えば、年間家賃収入100万円の物件を500万円で購入した場合は、
100万円 ÷ 500万円 × 100 = 20%
となり表面利回りは20%となります。
実質利回り
実際の不動産投資では物件の購入価格以外に運営経費や購入時の諸費用がかかります。
運営経費(ランニングコスト):
固定資産税、水道光熱費、修繕費、保険料、管理費、修繕積立金など
購入時の諸費用:
登録免許税、不動産取得税、印紙税、仲介手数料、司法書士手数料、初期修繕費、前所有者の滞納管理費など
それらを織り込んでより実際の収益に近づけた利回りを実質利回りと言います。
計算式は以下の通りです。
実質利回り=(年間の家賃収入-年間の運営経費) ÷ (物件の購入価格+購入時の諸費用) × 100 [%]
例えば、先ほどの物件の年間運営経費が23万円、購入時諸費用が50万円だったとすると実質利回りは、
(100万円-23万円)÷(500万円+50万円)×100=14%
となり、表面利回りの20%と比べて6ポイントも利回りが低くなります。
ちなみに、100÷利回り[%]で投資した金額を何年で回収できるかが分かります。利回り14%の場合、100÷14=7.14… なので7年ちょっとで購入費用を回収できることになります。
売却益の注意点
購入価格より売却価格が高ければ必ず売却益が出るかというとそうとも言い切れません。
何故なら不動産は買うときも売るときも諸費用がかかるためです。
購入時の諸費用は前項参照、売却時の諸費用は以下の通りです。
仲介手数料、印紙税、(必要に応じて)抵当権抹消費・境界明示測量費など
特に仲介業者に支払う仲介手数料は購入時と売却時の両方にかかるので負担が大きいです。
仲介手数料は物件価格に応じて次のように決まります。
このように不動産の売買には多くの諸費用がかかるため、買った時より高く売れても総額で見ると赤字なんてことも十分ありえます。
また当然ですが、諸費用を引いた後に残った売却益に対しても税金がかかります。
このあと解説しますが、個人の場合、この売却益にかかる税金(譲渡所得税)が少し特殊なので注意が必要です。
初心者には家賃収入狙いがオススメ
ここまでは基本中の基本なので「知ってるよ!」という人も多かったのではないでしょうか。
さて、では仮にあなたが競売で収益物件を格安で落札できたとしましょう。
あなたは次のうちどちらを選びますか?
- 長期間保有して家賃収入を得る
- すぐに転売して売却益を得る
・
・
・
結論から言いますが、あなたが初心者であるならば①の長期保有して家賃収入をメインに狙う方を圧倒的にオススメします。
短期の転売をオススメしない理由は次の通りです。
- 長期保有の方が利益を出しやすい
- 転売は不労所得にならない
- 短期売却は税金が高くなる
- 無免許で繰り返し転売すると違法になる
一つずつ解説していきます。
長期保有の方が利益を出しやすい
先ほどもお話しした通り、不動産は買うときも売るときも多額の諸費用がかかります。
そのため転売だけでまともな利益を出そうとすると市場価格より大幅に安く物件を買わなければなりません。
一方で購入した物件を人に貸して家賃収入を毎月貰えば、時間はかかりますが着実に利益を伸ばすことができます。
家賃収入の総額が購入費用を上回ればタダで収益物件を手に入れたも同然なので、それ以降の家賃収入は純粋にプラスになります。売却する場合も売却価格から諸費用を引いた金額が全て利益になります。
転売は不労所得にならない
不動産投資のメリットの一つは、軌道に乗れば自分が働かなくても物件が勝手にお金を稼いでくれるという点です。
これは家賃収入によって得られるメリットです。
転売益だけを追い求めると、自分が動いて売買をし続けなければ収入がストップしてしまうため不労所得にはなりません。
短期売却は税金が高くなる
個人が不動産を売却した際に得られた利益(譲渡所得)には譲渡所得税という税金がかかります。
不動産の譲渡所得税は分離課税といって通常の所得税とは異なる計算で課税されます。
譲渡所得は不動産の所有期間に応じて「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」に分けられ、それぞれ税率が異なります。
短期譲渡所得
所有期間:5年以内
税率:所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%=合計39.63%
長期譲渡所得
所有期間:5年超
税率:所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%=合計20.315%
このように短期と長期では合計すると2倍近く税率に差があります。
仮に転売で500万円の利益を出したとしても短期譲渡だった場合、税金で200万円近く持っていかれてしまう計算です。
これも短期間の転売で儲けを出すのを難しくしている要因の一つです。
同じ売却をするにしても、5年間家賃収入で稼いでおき、長期譲渡所得に切り替わってから売却した方が売却自体の手残りも大きくなります。
なお、所有期間は不動産を売却した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかで判断します。
例えば、2021年8月10日に物件を取得した場合、短期譲渡所得から長期譲渡所得への切り替わりは次のようになります。
単純に取得日から5年経過時点ではないので注意しましょう。
無免許で繰り返し転売すると違法になる
これ、大家さんでも意外と知らない人が多いです。
実は不動産を反復継続して売却すると業としてみなされ、宅地建物取引業(宅建業)の免許が必要になります。
無免許営業には罰則も規定されており、個人の場合は3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金(または両方の併科)、法人の場合は1億円以下の罰金が科されます。
これは所有者が自ら売却活動をせず仲介業者に売却を依頼したとしても同様です。
なお、どこからが反復継続になるのかには明確な基準がありません。
この件に関しては不動産投資の本にもほとんど書かれておらず、知らず知らずのうちに法を犯している大家さんも多いです。
この法律を完全にクリアしようとすると、収益物件を複数所有する大家さんは物件が朽ちる(更地にする)まで所有し続けるか、宅建業の免許を取って物件を売却するしかありません。
もちろん(?)このような大家さんはほとんどいないので宅建業法違反になっている事例も少なくないのですが、取り締まる側も人員が不足しているためよほど目立つ動きをしていない限りスルーされているのが現状です。
しかし、罰則を受ける可能性はゼロではありません。
実際、毎年のように検挙者は出ており、令和元年には無免許営業で6件(7名)が検挙されています。
令和元年中の不動産関係事犯の検挙状況と主な検挙事例(RETIO. 2020夏 NO.118 )
無免許営業について(RETIO. 2008. 6 NO.70)
そんなわけなので、これから不動産投資を始めようと考えている人はこのような法律があるということを念頭に置いておき、規模が大きくなったら宅建業の免許を取得しておくのが無難です。
なお、自ら所有する物件を賃貸に出すだけなら宅建業の免許は必要ありません。
そのため、まずは家賃収入狙いで物件を長期所有しておき、そろそろ売却しようかというタイミングで宅建業の免許について考えるということでも遅くはないと思います。
ちなみに、宅建業の免許を取得するには宅地建物取引士(宅建士)の資格が必須になります。
以上、初心者が短期転売を避けるべき4つの理由でした。
まとめ
- 不動産投資の利益には家賃収入(インカムゲイン)と売却益(キャピタルゲイン)がある
- 不動産の売買には諸費用が結構かかるので注意しよう
- 短期で売却すると税金が高くなったり、無免許で反復継続して売却すると違法になったりするので初心者は家賃収入狙いがオススメ
ちなみに、前回の記事で区分マンションではなく戸建や一棟アパートをオススメしていたのも家賃収入で高利回りを狙いやすいからです。
次回は不動産の種類とその特徴、家賃収入を狙う場合に区分マンションをオススメしない理由を解説します。
お楽しみに!
まずはネットで借入可能額を調べてみましょう
競売や公売であっても金融機関から借り入れを受けることは可能です。
- いきなり金融機関に出向くのは気が引ける
- 忙しくてなかなか金融機関に相談に行けない
- 物件を探す前に自分が借りられる金額の目安を知りたい
といった方は、ネットで自分がいくら借りられるのかを調べられるINVASE(インベース)のバウチャー発行サービスがオススメです。
・INVASE(インベース)バウチャー発行サービス
https://investment.mogecheck.jp/lp/voucher/
バウチャーとは証明書や引換券などを指す英語で、INVASEでは「借入可能額証明書」を意味しています。
このサービスでは、個人の属性をもとにあなたの借入可能額と金利を教えてくれます。
各金融機関と連携しているため、精度は高いです。
競売では物件を落札できるかどうかは開札日までわかりません。また、立地や築年数は物件によって異なります。
そのため、物件に依存しない個人の属性による借入可能額がわかれば、自分がどこまでリスクを負えるかの目安となり、入札額を決める際の指標の一つになります。
バウチャー発行の手順
- トップページの「今すぐ始める」から無料のユーザー登録
- 生年月日、家族構成、職業、年収、預金額、現在の借入額などの情報を入力
- 条件に合えばすぐにバウチャーが発行され、借入可能額と金利が分かる
貴方様の動画から来たものですが非常に読みやすくて面白かったです。
なんで8月10日なんですかね(指摘)
>表面利回りの20%と比べて6%も利回りが低くなります。
よく間違われるけどこの言い方は正しくなくて、正確には「6ポイントも利回りが低くなります」だゾ
20%から6%減とは20×0.94=18.8という意味になってしまうので。
コメントありがとうございます
訂正しておきます
更新ありがとうございます
短期売却だと税金が倍違う、
だから前回のコメントでも言われていたように5年後に売却する必要があったんですね
今回の記事は私にとってすごくタイムリーな内容だったので、とても助かりました
個人的にはおやつさんがFIREするまでのチャートが気になるのですが、記事される内容もあるかと思いますので、今後もブログの更新楽しみにさせてもらいます
丁寧なまとめ方と、吹き出しコメントの感想が凄く見やすかったです。
勝手ながら、次回も楽しみにしています!
とても興味深い内容で面白かったです。次回も楽しみにしてます。
解説用の黒板は出てこないんですね。
おやつ♪おやつ♪
最近オクトパストラベラーから
おやつさんの動画を見始めた者です。
とても楽しく拝見させていただきました。
私は現在23歳の契約社員で
お金の制約から解放されたいとか
もっとプライベートの時間が欲しいとか
そんな事を考えながら仕事をしているので
不動産収入で生きていく事に強い興味があります。
そこで2点程質問があります。
①不動産は投資初心者には向いていないでしょうか?
②おやつさんは不動産投資を独学から始めたとの事ですが
勉強時間は大体どのくらいでしたか?
お答えいただければ幸いです。
コメントありがとうございます!
①初心者でもちゃんと勉強してから始めれば大丈夫です。
ただし、元手はある程度必要になります。
最低でも300万円ぐらいの貯金は用意しておいた方が良いです。
②不動産の勉強を始めてから最初の入札をするまでに3カ月ぐらい、
その後、1棟目を落札するまでに半年以上かかりました。
その間、競売に関する本を片っ端から読んだり、
競売の資料の中で分からない言葉が出てきたら
その都度調べるようにしていました。
おやつさん
返信いただきありがとうございます。
とりあえずコツコツ働いて300万を目標に頑張ります。
勉強も少しずつ進めたいと思います。
やっぱり時間をかける事が大事やねんな・・・
参考になりました!本当にありがとナス!
小銭を積み上げる写真やTAX袋を背負っている写真が胡散臭さを増していて大変良いです
はじめまして。
改造ロマサガ3の頃から動画を拝見させていただいていました。
とても分かりやすく不動産投資についてまとめられていて勉強になります。
短期譲渡所得と長期譲渡取得の違い、初めて知って驚いています。これ、11月4日でも、5月14日でも短期になってしまうってことですよね・・・
ここで学んでおくことができてよかったです。
自分で不動産投資をするかどうか、まだ全然具体的なイメージが出来ていない状態ですが、継続して読ませていただこうと思います。
分かりやすすぎる。
知識ゼロでも十分ついていけます。実質利回りのところも全く知識がありませんでしたので詳細があり分かりやすいです。
すごくためになるブログありがとうございます。
質問です
宅建業の免許を取得しているとのことですが、開業、すなわち保証協会加入か営業保証金の供託まで行っているという理解であっていますか?
自分も個人大家で、繰り返しの売買で目を付けられないようにしたいのですが、開業=供託までしないといけないとなると腰が重くて悩んでおります。
コメントありがとうございます!
うちは保証金の供託にしています。
たしかに1000万円は高いですが、万が一の保険と考えて遊ばせている現金をそちらに回しました。
ある程度規模が大きくなるまでは取り締まられることもほぼないと思うので軌道に乗るまではそこまで気にしなくても良いかもしれません。
ご返信ありがとうございます!
悩んでいた事なのでとても助かりました。
遊ばせる現金ができるくらいになったら宅建業の免許とります😀
やっぱ不動産ってスタート300万くらいからなんすねぇ…
貯蓄0からだと貯めるのが先かぁ
初めまして。
ゲームの動画や配信などは拝見していましたが、今更ながらこちらのブログにも目を通させていただきました。
とても分かりやすく時折挟まれる語録などは遊び心があって好きです。今現在「はじめての競売」をゆっくりですが読み進めているところです。